話題 :蔵前の魅力と透明書店について
話題提供者:五十嵐さん(2002)
開催日時:2月18日(火)20:00-21:00
参加者(卒業年度)
鶴本さん(2001)
五十嵐さん(2002)
敦賀さん(2006院)
天野さん(2007)
両角
■話題の内容
ゼロ年代から「東京のブルックリン」などと呼ばれて注目されるようになり、面白いスモールビジネスが増えているといわれている『蔵前』について、比較的近くに住んでおられる五十嵐さんに解説していただきました。特に、人々が集まる要素の一つとしての歴史やそれを活かす取り組みなど、興味深いお話をしていただきました。
五十嵐さんが作成された資料も添付いたしますので、参考にしてください(資料の元は『「まち裏」文化めぐり;東京下町編、清水麻帆、2022、彩流社』)。
<両角のピックアップ>
歴史
江戸時代から商売の街、『札差』と呼ばれる金融ビジネスが発達し、生み出された利益が文化活動の支援へも回った。
モノづくりの街でもある。現在もおもちゃメーカーなどもある
人々・媒体・施設等
CET:2003年から中央区、千代田区の空きビル、空き倉庫を使って、若手アーティストたちの作品を展示するという”建築”、”デザイン”、”アート”の要素を組み合わせたイベントからスタートし、街の新たな価値の創造を目指したプロジェクト
Central East Tokyoについての情報 http://taku-ken.co.jp/column/journal/1.html
2004年台東区ものづくり産業の支援策「台東区デザイナーズビレッジ」スタート
従来からのものづくりの伝統に加え、新しい流入者も増えている
透明書店
透明書店はfreee(統合型クラウドERP提供会社)が親会社で、SMBの実践体験場
「これから何かを始めたい人」に向けた書店 蔵前の立地がハマった
■ 両角の感想
デザインという仕事もAI等の影響は大きく、何を提供していくかを考えなければならい状況になっていると思う。
地域の書店は、そこに住む人々にとっては新しい知識・社会の変化を知る重要な施設だと思うが、すごい勢いで閉鎖・廃業されているのが現状である。どのような工夫をしたらこうした施設・機能を存在させることができるのか。これは大きなデザイン対象・活動であろうと思う。
勉強会の事前資料で紹介した「透明書店」や「本屋B&B」「バリューブックス」などの取り組みは、参考になる点も多く、AIでは提案しにくいレベルではないかと思う(すでに存在する知識ではなく、人々の希望を考え、新しい試みを試していくという行動)。
また、魅力ある地域を作っていくという活動も、人にとっての歴史的な意味や価値を理解できなければ、似たようで魅力が欠ける施設を作り続けることになりかねないと思う。
今回も学びの多い勉強だった。
