日時:3月22日(金)20:00~21:00
話題提供者:原 敏多 さん(富士フイルム デザイン戦略室副室長)
話題:「富士フイルムデザイン」ー 人・製品・環境 ー
参加者(卒業年度)
鶴本さん(2001)
里美さん(2005)
澤海さん(2005)
天野さん(2007)
両角
皆さんの先輩であり、工業意匠学科 山下・梨原研究室卒業生(1989年度)の富士フイルムのデザイン戦略室副室長・デザインディレクター 原敏多さんに、標記の内容でお話しいただきました。
■話題内容と質疑
お話しいただいた内容は以下の通りです。
・製品紹介
・デザイン内の部門(PD, UI, GD, CX, SD)紹介
CX: Customer eXperience SD: Solution Design
・デザイン部門のビジョン・役割
・CLAY 場づくり・場の役割 等
デザインの理念:「誠実なデザイン」
人々の言葉にならい想いを誠実にデザインする
[両角の気になりポイント(一部)]
「感動体験」のデザインレビューをする(誠実にデザインできているか)、ターゲットユーザーを参加させる
部門間の連携を取って仕事を進める
技術や構造のビジュアル化をする(コミュニケーションの媒体)
As Iaの可視化
*今回講演の資料は非公開ですが、デザインのビジョンやCLAYスタジオについての情報はFUJIFILM designでご覧いただけます。
https://design.fujifilm.com/ja/#!/top/
[質疑]
・デザインレビューの方法は?
現場の課題を見つけるには、ターゲットユーザーに参加してもらう。自分事化してもらう工夫が大切
・自分は領域の越境者(デザイン&エンジニア)だが、越境者の可能性は?
越境者は有効・有能だが、人数は少ない
材料分野のデザイナーは、自分で素材の勉強をしている
未知の領域でも深堀できる人間に可能性がある
『デザインを生み出すのは人』なので、デザイナーのクリエイティビティを刺激することを大切にしている
・CLAY(新しい環境)を作ってからの人の変化は?
デザインにスッとはいれるようになった
2日/週は在宅仕事可能だが、出てくる人が多い
コミュニケーションが生まれる場所になっている
・よい場づくりのためにはコストがかかるがどうしたか?
コストを調整して、自分たちがやりたい事を工夫して実現した。
席は固定だが、隣の席は異なるグループの人にして、新たなコミュニケーションや刺激が生まれるようにしている
1回/年席を変える
・欲しいものを自分達で作っているのが良いと思う。緑化の効果は?
緑化の結果、都心なのに虫とかが集まって生態系が作られている。
実のなる木があると、香水や果実酒づくりなど、話題作りにつながる
建物の中は緊張感があるが、外はなごめる
■ 両角の感想
「富士フイルムデザイン」の人と組織と環境、そこから生み出される製品やサービスについて、どのように生み出していくかについて興味深いお話を聞くことができた。
このメモでは、受けた刺激のほんの一部しか記述できていないが、『デザイン』という新たなものを生み出す活動を行ううえで、大切な心構えや行動・活動の数々を紹介していただいたと思う。
最後にAさんが言っていた『欲しいものを作る』態度は、ともすれば制約から入ってしまう自分や多くのデザイナーにとって、もう一度自分事として考えてみる必要がある一言だった。紹介していただいた堀切デザインセンター長の『デザインを生み出すのは人』という話は、原点だと思う。