日時:6月14日(水)20:00-21:00
話題提供者:敦賀さん&両角
話題:コミュニティにおける話し合いの課題と解決方法について
○ 日立製作所のコミュニケーションにおける工夫 敦賀さん
○ 「真鶴町 いきづく町をつくる」ための内部&外部のメンバー 両角
参加者(卒業年度)
鶴本さん(2001)
足立さん(2003)
敦賀さん(2006 院)
両角
■日立製作所のコミュニケーションにおける工夫 敦賀さん
『日立製作所のデザインセンタが辿り着いた組織構造──デザイナーと研究者がハブになる研究所文化とは? | Biz/Zine』を基本資料として説明。
https://bizzine.jp/article/detail/9046
デザイナー以外の人材がデザイン部門のトップになり「社会善」や「講義のデザイン」に取り組むようになってデザイン部門も変わった。
<コミュニケーションや組織を活性化する具体例>
考え方:モノづくりのための全社的な考え方『お客様の要望に応えるために一緒につくり出す』があることで、組織を超えて協力できる気がする。
環境やツール:多様な経験をすることになる『ジョブローテーション』や、異分野の人間やお客様との協創がしやすい『ビジネスオリガミ』などを開発し利用することもコミュニケーションが良くなることにつながると思う。
多様なキャリアパス:マネジメントと専門職のマルチパス
■「真鶴町 いきづく町をつくる」ための内部&外部のメンバー 両角
1990年代の乱開発を止めるために、町長を中心に地域の人や町役場職員が制定した『美の基準』や条例等。そして、その具体的な適用の一つである『コミュニティ真鶴(コミュニティセンター)』の建設と運用。
この一連の過程を記録した、『真鶴町まちづくり審議会』のメンバーである弁護士・法律家、都市開発専門家、建築家による『いきづく町をつくる 美の条例 真鶴町・一万人の選択』を参考に、取り組み内容を両角が説明。
当事者である町民の活動が重要であるとともに、活動に参加する専門家の力が重要であることを話した。
*参考:真鶴町の取り組みについての検証については添付資料『秋田典子_まちづくり条例を通じた開発の質のコントロールの成果と課題 2007』https://www.jstage.jst.go.jp/article/ksurb/9/0/9_27/_article/-char/ja/
ディスカッションの中のコメント(一部)
敦賀さん:WSの開催を要請され、場を作ることもある。その場合、自分は一歩下がって参加者が自分たちがつくった形になることが重要で、自分が作ったのだから最後までやろうということにつながる。
足立さん:渡辺保史:Desiging Ours 「自分たち事」のデザイン(2018) で書かれている『自分たち事』としての関与が大切だと思う。
両角の感想
コミュニティのコミュニケーションがうまくいくためには、メンバー・関係者の意志・目標と、具体的方策・ツール開発が必要が必要であるとことが、2つの事例からも理解できる。
また、コミュニティ当事者だけではなく、その時の課題解決に必要な分野の専門家が加わることが重要であることも確認できた(当事者が時間とコストをかけて専門家になることも有効な手段ではあると思うが…)。
専門家の立場は、当事者にいかに適切に関与してもらうか、コミュニケーションを適切に行えるように場を作るか、必要な専門知識の提供などが考えられる。一方そうした場合、『専門家』は脚光を浴びないので、生業としてどのように生きていくかは課題が残る気がする。